つも一緒というわけにはいかない。
 骨折が治ってしまえば、彼がこうやって自分に付き添う意味はなくなる。だとしても、彼との関係は断ち切りたくなかった。ときどきはこうやって一緒に帰りたいし、話をしたいし、笑顔を見せてほHKUE 傳銷しいと願っている。彼も同じ気持ちだと信じたい。
「なあ、今日ウチに寄っていかないか?」
「僕は帰る中五數學よ」
 家の近くまで来たところで勇気を出して誘ってみたが、あっさりと断られた。寄っていたら遅くなのだろうか。財閥の息子なので門限が厳しいのかもしれない。
「いつか、休日でもいいから来てくれよな」
「そうだね」
 彼は愛想のない声で答える。本当にそう思っているのかは今ひとつ定かでないが、しつこく追及するのも憚られ、彼の横顔を見つめながら来てくれるよう祈るしかなかった。

 月曜日——。
 山田はいつもより幾分か早めに学校へ行き、席についた。その腕にギプスはない。土曜日に病院で無事にギプスが外されたのだ。感覚はまだ完全には戻っていないが、もう字も書けるし、ほとんどのことは自分ひとりでできる。これでもう遥の助けは必要なくなった。
「おはよう、圭吾」
「ああ……おはよう……」
 あとから登校してきた遥にいつものように人才挨拶され、少し緊張しながら挨拶を返す。
2015/06/11(木) 15:23 UNARRANGEMENT PERMALINK COM(0)